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配の工夫によりその強さを制御するこができ、明るくすれば海藻の成長促進、暗くするればアワビなどの夜行性動物の生息城広大が図れる。

Table-1. Coastal structures for wave and Current control

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Fig-1. Function of submerged breakwater for wave and current control

2−2 二枚貝の増殖場造成方法と施工事例
わが国では、200海里規制に伴い、「栽培漁業」あるいは「つくり育てる漁業」という視点から、水産業を核とした沿岸域および沖合水域の整備開発を図るために昭和60年にTable−2に示すようにマリノベーション構想を策定している。この中のマリタイム・ヴィレッジ構想では、新漁業・新資源の創出を図るために、砂泥域漁場の開発などを目指している。外海に面した北海道の厚岸湾と浜中湾では離岸潜堤による二枚貝の増殖場造成が実施されている(Fig-2.)。
3. 二枚貝の生息環境・生態について
3−1 生息場所
本研究では市場価値の高い二枚貝を増殖場造成工の対象とした。その二枚貝は例えば代表的なホッキガイは

Table-2. Marinovation plan

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Fig-2. Example of submerged breakwater construction for biva1ve propagation
寒海性で太平洋側では茨城県以北、特に東北、北海道が主要な分布域となっている。日本海側では冨山県以北に分布している2)。生息域は沿岸の砂泥域に、水温が3〜16℃の4〜7月頃に産卵する。幼貝は、距岸500〜900m付近の表層〜中層に浮遊し、約700m以遠の海底に着底し、成長した成貝は、海底勾配が1/100程度の比較的に緩やかな遠浅な海浜で、水深10m以浅の底質が細砂の場所が多い3)(Table-3)。

Table-3. Bivalve’sbabitat environment3)

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3−2 潜砂速度
貝は通常、砂の中に生息しているが、波浪などの外力により露出することがある。そのため、貝は潜砂行動をとることが知られている。その潜秒速度については、ホッキガイを用いて、殻長、水温、海底砂の粒径などの条件に対して、多くの実験的研究が行われている。

 

 

 

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